2018年3月16日金曜日

伊波真人『ナイトフライト』を読んで

伊波さんの『ナイトフライト』読了しました。

私が正直に言う伊波さんの短歌は
「ムーディーでロマンチック」というイメージがあり、

本当に正直な話、昔は顔が赤くなるような短歌もありました。
例えばコレ。

シャッターを押すのを見たことないけれど君のニコンは首飾りかい

他にも、いくつかあるんですけど、ここでは省きます(笑)

でもそんな短歌群はIで大体無くなります。
そこからは、
ムーディーでロマンチック、でもおかしみや生活感が入るような。

千年後日本であまた出土するイオンモールという名の遺跡
眼鏡屋で視力検査のとき見える気球の浮かぶ場所に行きたい
暗闇の向こうにいくつも窓がある水族館をそろりと歩む

どれも生活感がありますが視点が面白くて素敵ですね。

そして最後に別れの歌が秀逸。

家じゅうの時計の電池がいっせいになくなるときのような幕切れ
散りぎわがいちばん恋人らしかった僕らを残し日々はつづいて

どちらも好きな歌です。
ロマンチックな伊波さん(の短歌)だからこそ、
別れの歌がこんなに美しく切ないのか。
最後の歌なんかは連作で読むからなおいい気もします。

楽しませていただきました。
今後の活躍も期待してます!


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