伊波さんの『ナイトフライト』読了しました。
私が正直に言う伊波さんの短歌は
「ムーディーでロマンチック」というイメージがあり、
本当に正直な話、昔は顔が赤くなるような短歌もありました。
例えばコレ。
シャッターを押すのを見たことないけれど君のニコンは首飾りかい
他にも、いくつかあるんですけど、ここでは省きます(笑)
でもそんな短歌群はIで大体無くなります。
そこからは、
ムーディーでロマンチック、でもおかしみや生活感が入るような。
千年後日本であまた出土するイオンモールという名の遺跡
眼鏡屋で視力検査のとき見える気球の浮かぶ場所に行きたい
暗闇の向こうにいくつも窓がある水族館をそろりと歩む
どれも生活感がありますが視点が面白くて素敵ですね。
そして最後に別れの歌が秀逸。
家じゅうの時計の電池がいっせいになくなるときのような幕切れ
散りぎわがいちばん恋人らしかった僕らを残し日々はつづいて
どちらも好きな歌です。
ロマンチックな伊波さん(の短歌)だからこそ、
別れの歌がこんなに美しく切ないのか。
最後の歌なんかは連作で読むからなおいい気もします。
楽しませていただきました。
今後の活躍も期待してます!
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