去年の秋文フリで買った『フラッシュバックに勝つる』
をようやく読み終えましたので感想を。
ミョウバンの結晶ごときに負けている 輝けるならなんだっていい
最初の8ページでこの歌を見て、意外に思いました。
なんというか、失礼ですけど、私がナイス害さんに
抱いていたのは、下ネタだったり面白可笑しい感じの
短歌を詠むイメージがあったからです。
神を描く桃色の手は銀に濡れこの美大生は昼を知らない
パトカーの後部座席で俺たちは虹に等しい夢を語った
その先は僕が連れてく 花冷えに震える右手ひとひらの爆撃機
神、銀、美大生、虹、花冷え…
それに対比する
昼を知らない、パトカー、爆撃機。
その差異が美しく感じられる歌です。
レンコンはレンコンのまま調理されあなたはあなたのままで泣いてる
来世ではこの市役所のペンとなりみんなの名前になって生きたい
この二首とっても好きです。
ちょっとクスッとくるけれど、
臨場感があって、
そう思った場面のことを考えてしまう。
その場面がとても素敵なのです。
全体を通しても
思っていた下ネタは少なく(笑)
良い歌が多かったです。
比喩や空想が入り混じったりするけど、
読みやすかったです。
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